2017年9月29日金曜日

つながり

先日お引き渡しをした「キッチンつながり+en」

障害のある方の作業所、

子どものお菓子教室

ケーキ屋さん

様々な顔を持つ場でした。




子ども、お菓子、キッチン、福祉施設・・・

クライアントからの要望、

私の企み、

全部を書きだして、こんな風にまとめて整理します。

これが設計のはじまり。

住宅の設計も同じです。

いきなり図面を書きだしたりはしないんですよ。

意外でしょうか?


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そして今回はたくさんの方のご協力があって

完成したお仕事。


ロゴやイラストを担当した同級生のゆきちゃん




やさしいタッチのイラストで

今後お菓子のパッケージデザインもされるそう。

楽しみです。





吉野の泉谷さんには木材全般のコーディネートを。

今後、山のお話も子どもたちにしてもらえたら、

なんて期待しているのです。





そして、大工のUさんとSさん。

冗談ばかり言って楽しい方たちですが腕は確か、そして優しい。



工事全般を取り持ってくださった

Lei Companyさんも気持ちの良いお仕事ぶりでした。



それもこれも

事業主であるケアットの岡本さんの

お人柄なのだと思います。



人と人の「つながり」

を強く感じるお仕事でした。




2017年9月28日木曜日

【キッチンつながり+en】-兵庫県神戸市


ちいさなキッチンをつくるお仕事です。

平日は障害のある方がお菓子作りをする作業所、

週末は子どもたちがお菓子作りを通してものづくりを学ぶ教室。

そんな依頼でした。

普段の住宅設計とは少し目線を替えて、

でも基本は変わらず居心地の良い「木の空間」を。

たくさんの方のお力を借りて、

なかなかすてきなキッチンになったかと思います。


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アプローチ。

入り口脇には吉野からやって来た杉のそで壁をちょっぴり。

なんのお店かな?

ちょっと入ってみたいな?

と、思ってもらえれば成功。

福祉施設だからこそ、外に開いた空間にしたい

という、クライアントの思い。




入り口を入るとSHOPスペース。

ここではお菓子の販売を。

左手の棚にたくさんの焼き菓子がならぶ予定。




見返し。

工期の限られたテナント工事。

現場で木工事が発生しないよう木材を使用する箇所は全て家具工事で。

確かな腕の信頼できる大工さんに協力いただいて。




全ての角に、いつも以上のまーるい面取り、
大工さんのやさしさ全開のディテールです。






SHOPスペースからキッチンを望む。

中央にどん!と大きなキッチンカウンターを据えて。

手前のテーブルは子どもが作業をするのにも

大人が座ってお茶を飲むのにもちょうどいい高さ。



既存の開き戸、サッシは曲線がやさしいデザイン。

あえてそのままに。

床はクッションフロア。

無垢の床板の気持ちよさを味わってもらいたいところだけれど、

使用環境を考えると適切なチョイスではない。

割り切るところは割り切って。




その代わりSHOPスペースとキッチンをつなぐ空間に、3畳ほどの桧の小上がりを。

子どもたちがが自分で作ったお菓子をみんなで食べたり、

もっと小さな弟くん、妹ちゃんがハイハイしたり、

お菓子を買いに来てくださった方がちょっと腰掛けたり。

そんなイメージで。



小上がりの床は450角のウッドタイル。
子どもが使う場だから汚れるのは当たり前、
でも、どうしても汚れがひどくなったら入れ替えができるように。
相談に乗ってもらいながら作ったもの。




夜もあたたかな灯りを溢れさせて。

地域に開かれた愛される場になりますように。





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名称:キッチンつながり+en

所在地:兵庫県神戸市

延床面積:40.00㎡(12.10坪)

竣工:2017年9月

施工:Lei Company(内装)/梅本建装(家具)

ロゴ・イラスト:atelier tippi(仲谷有希)


写真撮影:西久保美和